FC2ブログ

再掲:ダンディでない表現二つ【MiyaG】

07 13, 2018
昨年も同じことを書きましたが、どうしても気になるので再度書きます。私が最近気になるダンディでない表現二つです。「なるほどついつい使ってるけどそう言われてみれば確かにヘンだな」と思うはずです。

(1) 「~したいです」「~してほしいです」
日本語の語法としておそらく間違いではありません。しかし、滅多に使わない表現のはずですが、最近はとても頻繁に耳にします。

このまえゼミ生からLINEで「ゼミで統計の勉強を教えてほしいです」と送られてきてたじろぎました。これを日本語として解釈すれば「何度も要求してきたにもかかわらずあなたは講義で統計についてちっとも教えてくれないが、今後はきちんと教えてほしい!」と、強い要望というよりもむしろ不満やクレームを述べていることになります。

昨日の企業訪問でも常にだれもが判で押したように「~を教えてほしいです」と質問していました。大人が聞くと非常に違和感があります。

おそらく「ほしいです」と言った方が「してください」というより控え目に聞こえると思っているのでしょうが、間違いです。「我々はこのプロジェクトをどうしても実現させたいんです」とか「あなたのその悪い癖をどうしてもなおしてほしいんです」という特殊なケースに親和性のある表現で、少なくとも書き言葉としてはあまり使わないことが普通ですし、ましてや目上の人に口で言うとさらに違和感を覚えます。

そもそも日本語として美しくありません。たとえば「統計の勉強を教えてほしいです」ではなく「統計の勉強を教えていただきたいと考えております」の方が断然美しい。あるいは「研究室にうかがいたいです」ではなく「研究室にうかがいたいと思いますが、いかがでしょうか。」が美しい日本語。「~を教えてほしいです」ではなくて「~を教えていただけないでしょうか」「~についてお聞かせください」が正しい日本語。「教えてほしいです」や「研究室にうかがいたいです」は小学生のような幼稚な日本語に聞こえます、もしくは日本語に慣れない外国人が使うような未熟な表現に感じませんか?その場に応じた表現の選択肢が他にあるのにわざわざ「ほしいです」「もらいていです」を使うから未熟に聞こえるわけです。もう大学生になったらこのような大人にとって違和感のある表現はやめましょう。知的ではありません。

(2) 「~させていただきました」
プレゼンをするときなど「発表させていただきます」とか「こちらに書かせていただきました」というのは大人でも使う人が結構います。こう言えば丁寧だと勘違いしているかもしれませんが、そんなに卑屈になる必要はありません。「発表いたします」「こちらに書きました」で十分です。

原則として「させていただく」のは相手の許可をもらってから行うことが前提です。たとえば相手の許可をもらって「処分させていただく」ことは自然ですが、「努力させていただいた」り、「お話させていただいた」のは自分の意思で勝手に行っていることですから「努力いたしました」「お話いたしました」の方が自然な日本語です。「担当させていただきます」ではなくて「担当いたします」、「お送りさせていただきます」ではなく「お送りいたします」、「言わせていただきます」ではなく「申し上げます」の方がすっきりして聞きやすいでしょ。

また、「させていただく」は時として日本語の語法としても間違っていることがあります。「拝見させていただく」は二重敬語といって日本語の語法の間違いです(「拝見」も「いただく」も謙譲語)。「読まさせていただく」や「言わさせていただく」も語法の間違いで、どうしてもそう言いたいなら「読ませていただく」「言わせていただく」が正しい表現です。

言葉の使い方は大切です。悪気のないほんのわずかなことで無駄な不利益をこうむることがあります。明日からやめましょう。言葉の使い方は私も気をつけねばならないので自戒の念をこめてのブログでした。
スポンサーサイト
0 CommentsPosted in Dr.MiyaG

少し考えなきゃいけないこと【MiyaG】

03 11, 2018
先週のこと、7期生3人が本を携えて研究室に質問に来ました。後期試験直後にはタイガが「企業価値の神秘」を持って質問に来ました。

タイガには驚きました。試験が終わってもう一度読み直そうと思って読んでいたら、だんだん面白くなってきて次々に疑問が湧いてきたと言って夜の7時過ぎに突然研究室に飛び込んできました。試験が終わったのにもう一度読み直そうというという前向きさにも驚きましたが、質問を聞いて彼がどれくらい熱心に本を読んだかが改めてよくわかりました。

この感覚忘れてたのが異常だなと思い返しました。1期生や2期生の時には常に質問に来る学生がいて、来客中にも何人も来て、ちょうど来客が金融関係の人だったので、学生の質問をおもしろがってみんなで研究室で話し込んだのを覚えています。ふと考えると5期生も6期生も本を携えてこういう純粋な疑問をぶつけに来る人ってまったくいなかったなと思い返したことで、これはなんとも異常なことになっていると気づきました。そういえば4期生も全く来ませんでした。

うちのゼミではかなり高度な本を読ませているはずですが、本を読んで理解できないところが何もない、何も疑問がわかないというのは異常です。合宿の日程とかイベントの内容とかプレゼンの構成など「そんなの自分たちで考えろよ」ということは相談に来ても「ここがよく理解できないので教えてください」「自分はこのように考えたのですが、先生はどう思いますか?」といった当たり前の会話がここ数年なくなったのに、そのことに慣れてしまっている自分にふと異常さを感じました。ゼックミスタのチーム、川喜多のチーム、あれ難しい本だと思うけど本当に疑問もなく読めてるのかあ。

あたかも先生に質問などしてはいけないと思っているかのようです。おそらく疑問をもって聞きに行くという基本的な習慣がないんだろうと思います。それよりも指示されたことを文句言われずにやることだけ考えるから、質問しに来るよりも合宿の日程を何度も相談しに来ることになるのかなあと。「オレは部活の顧問じゃないぞ」と改めて言っておきましょう(4期生の時に言ったような気がするが)。

こういうと「まずい、まずい。合宿の日程を相談しに行く前にまずは気の利いた質問考えなきゃ」と教科書をめくり始める学生が出てくるのかも。「キミたち、そのサラリーマン的発想、いったいどこで習ってきたんだ?」と改めて言っておきましょう(4期生の時に言ったような気がするが)。
0 CommentsPosted in Dr.MiyaG

冬合宿予告「声と体による表現力のエチュード」(MiyaG)

02 07, 2018
今回の冬合宿ではこれまでになかった特別なゼミを行うと連絡しました。一体なにをやらされるんだろうと不安になっていることと思います。冬合宿二日目の特別ゼミでは、ゼミ生の「表現力」を向上させるトレーニングを行います。全編ゲームのような楽しい内容です。どうか楽しみにしていてください。

これまで宮川研究室では科学的思考論のゼミを行ってきました。これは「なにを考えるか」ではなく「どのように考えるか」という思考力のトレーニングでした。これに対して今回行う「声と体による表現力のエチュード」は「なにを話すか」ではなく「どのように話すか」という、文字通り表現力のトレーニングと言えます。

諸君は「どのように話すか」に関して無関心すぎます。これまでの日本の教育では「気持ちがあれば伝わる」と教えられてきたかもしれません。確かに気持ちが大事です。気持ちがなければ伝わりません。しかし、その逆は必ずしも真ではありません。これまで諸君はいわゆる内輪の世界でしか生きてきませんでした。内輪だから伝わる話し方、内輪向けの声の出し方、内輪向けの体の置き方、これらには何の努力も要りません。

しかし、これから社会に出て相手に気持ちを伝えるためにはそれなりの努力をする必要があります。社会に通用する話し方というものが存在します。

今回のゼミはパリの演劇学校で行われているトレーニングや国内芸術系の専門学校で行われているトレーニングを参考に取り入れ、それらを応用して私がプロデュースした内容です。普通にしゃべっていてもなぜか人を惹きつける人、日ごろの立ち居振る舞いがなぜか魅力的な人、立っていても歩いていてもなぜかスマートに見える人、そういう人っていますよね。そういう人を目指して一緒にがんばりましょう。

そのためには、まず自分が出したことのない声を出し、自分がしたことのない体の動きをしてみて、自分の声の幅と体の幅の可能性を体験してみることが大事です。トレーニングはそこから始まります。以下が予定しているプログラムです。修正する可能性がありますが、一応公開しておきます。

PAチームが場所を取ってくれましたが、椅子と机は不要です。全員が入って丸く車座になって座れるスペースがあれば十分です。もしホワイトボードがあればなおいいです。

【1】 自分自身の声と出会おう
 自分の声の幅を知っていますか? ~ハミングトレーニング
 自分の声の要素を知っていますか? ~声だしトレーニング

【2】 自分自身の体と出会おう
 寄りかかりトレーニング

【3】 他人と自分の声と体で遊ぼう
 ものまねトレーニング
 彫刻トレーニング

【4】 言葉で遊ぼう
 あいうえお物語トレーニング
 でたらめ名刺トレーニング

0 CommentsPosted in Dr.MiyaG

木岡へのコメントと「自分のこと大好きマトリクス」について【MiyaG】

01 18, 2018
木岡、ゼミの感想ありがとう。いい感想だと思いました。狙い通りの理解をしてくれたと思います。ただし、「自分らしさなんてない」と言ったのではありません。この点についてもう一度ここに書いておきます。

「自己分析」などというイマドキの言葉に乗せられて、君たちは自分のことを見つめ直せば「本当の自分」というものが明らかになって、その「本当の自分」に合った仕事がどこかに存在するはずだという幻想に追われていませんか?今回のゼミはそういう問題提起でした。ありもしない幻想によって君たちは無意味な焦燥感にかられているように思います。

今回の「自分のこと大好きマトリクス」を作って気づいてほしいことは、自分が知っているはずの自分の中にも実際には様々な矛盾があって、このマトリクスが理路整然とは埋まっていかないという点です。そこには自分が何者かという現実と同時に、実は自分がどうありたいかという欲望が混在しているからです。

そして、木岡が言う通り、その自分の現実と欲望は他者の存在なくして成り立ちません。自分はこうありたいけど他人はそう感じてくれなかったり、自分でも予想もしない評価を他人から受けたり、そのようにして戸惑いながら他者との関係性の中で長い時間をかけてひょっとするとぼんやりと浮かんでくるものが「自分」です。

つまり「自分らしさ」というものは「本当の自分」の中からじわじわと浮き出てくるのではなく、他者との関係性の中から輪郭が見えてくる、そういうものなんですよ。ちなみに私はこの歳になっても本当の「自分らしさ」がなんなのか実はよくわかりません。20年近く働いた会社が自分に合っていたかどうか今でもわかりません。それなのに世間知らずの大学3年生の若造が、ちょろっと自己分析して自分に合った生涯の仕事を見つけられるなんてありっこないでしょーに。

ただ、この時期に自分を見つめ直してみるという行為自体は否定しません。「あなたはどういう人ですか?」と聞かれたときに、それなりの成熟度をもって描写できることは悪いことではありません。だから今回のゼミではそういうアドバイスを試みました。ただし、実際には「自分のこと大好きマトリクス」を作りながら「本当のオレってなんやねん?」と迷走しまくった挙句に「ま、なにものでもないか。」と納得し、最後には「ええんちゃうの、それで」と安心してくれればOKです。そういう点で、木岡、OKです!
4 CommentsPosted in Dr.MiyaG

7期生に期待しています【MiyaG】

12 04, 2017
7期生全員の自己紹介ごくろうさまでした。それぞれのアツい思いを受け止めた次第です。

さて、ブログを読んで少し感じたことですが、ゼミに入った理由が「ゼミの雰囲気が楽しそうだったから」という人が多すぎます。どうやらこれは年々増えていく傾向のようです。確かに楽しいゼミですし、そこが宮川ゼミの自慢ですが、それは結果としてそうなっているに過ぎません。ここはサークルではありません。最初の説明会で言ったとおりゼミとは指導教員を選んで「弟子入り」することです。どうか一人一人がサシで私にぶつかってきてください。

自分が抱いた疑問、自分が考えたアイデア、自分が悩んでいる課題、なんでも私にぶつけてみてください。高校の勉強と違って学生同士で無駄にたむろしていても自分の能力を伸ばすことはできません。私を利用しないともったいないですよ。私と何度も「ぶつかり稽古」を繰り返しながら自分を鍛え、私と一緒に悩みながら、研究室からいろんなものを盗んで成長してほしいと思っています。歓迎会のときに言ったとおりですが、「私に言ってはいけないこと」とか「私に相談してはいけないこと」は宮川ゼミには一切ありません。あえて言えば宮川ゼミでは「遠慮すること」がもっともマズイことです。

12月18日に7期生向け第1回のプレゼミを開講します。7期生を教えるのが今から楽しみです。
0 CommentsPosted in Dr.MiyaG
プロフィール

宮川研究室

Author:宮川研究室
宮川研究室のホームページはこちら
http://miyagawaseminar.com/

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ